50年後の未来を想像するためのエクササイズ


まず、簡単な頭の体操をしましょう。
ホワイトボードに横線を引いて中央に点を打つ
「ここが今日です。2011年。今から50年前、ここが1961年です。
生まれていた人居ますか?あ、居ませんね。では、あなたのお母さんは何歳でしたか?(参加者が女性だけだったので)
29歳、21歳、11歳、7歳と書き込む。
その頃、お母さんは何をしていたでしょうかね?うちは、父とデートしてましたね。
では、今私たちが毎日の生活で使っているもので、50年前になかったものは何でしょう?
お母さんは見たことも、聞いたこともなかったであろうもの。
携帯電話、電子レンジ、ファックス、インターネット、ビデオカメラ、エアコン、乾燥機、食器洗い機
その頃既にあって、今でも使われているものは?
テレビ、電気こたつ、洗濯機
1961年ごろ、お母さんが住んでいた場所は、どんなだったかしら?
うちは、舗装道路じゃなかった、トイレは汲み取り、お父さんは車は持っていた、武蔵境駅の駅舎が平屋だった

では、それよりも50年前は?
1911年。明治44年。翌1912年が大正元年ですね。お母さんが生まれたのは、この50年間の真ん中ぐらいだから、おじいちゃんが生まれた頃ですか?
うちは、おじいちゃんが6歳で、おばあちゃんはまだ生まれていなかったです。


こうして見ると100年前はそんなに大昔ではないですね。

さあ、その頃なくて、1961年にあったものは?
テレビ、洗濯機、扇風機、地下鉄
じゃあ、その頃既にあったものは?
電話、電灯も家庭に普及していましたね、都電、自動車も走っていました。その頃の暮らしを想像して、今はもう使われていないものと言うと
七輪。井戸、火鉢、竹ざお

1911年に比べると、1961年の暮らしは、今と基本的にあんまり変わっていないような気がしますね。
50年。あっという間ですよ。

ならば、あなたのお子さんは50年後何歳になっていますか?
52歳。58歳、55歳、60歳
自分は?
私は96歳かー。生きていたいですね。
50代のお子さんはどうやって生活しているかしら?
子どもが居て、もう孫もいるかもしれません。
私のひ孫だわ。96まで、元気に生きたい。

さて、今日は、「福島第一原発と放射能汚染」について話します。
申し分けないけど明るい話題はない。
辛い話ばかりなので、落ち込んだりすると思います。

そうなったら、この50年後52歳になっている自分の子どもを想像してください。
足元を見つめると、ずぶずぶに落ち込んで身動き取れなくなるので、そういう時は遠くを見つめる。
50年後にこの子は何をしているのか、どこに住んでいるのか、家族はいるのか、幸福なのか?
そこに思いを寄せることで、今の困難をどう乗り越えていくのか知恵が生まれてくるでしょう。

常に50年後の未来を思い浮かべながら、3月11日以降のすっかり変わってしまった毎日を生きましょう。
(2011年6月15日 ベイエリア 原発学習会 第1回にて)