21 Acres誕生のストーリー。水と土と空気、食べ物そして心と体。ぜんぶつながっている。

21 Acresを始めるきっかけは、ファーマーズマーケットの常連たちの、「農家が作った野菜を料理して食卓に乗せる。その始まりから終わりまでを、もっと多くの人に知ってもらいたいね」という会話だったそうです。

スーパーマーケットでパッケージされたご飯を買って食べるのが、多くの人の「普通」の暮らしになっています。
私には、「普通」が「正しい」と思えないことのひとつです。
そのご飯は、どこの誰がどんな風に作ってくれたものなのだろう?
ご飯が食卓に並ぶまでの物語を知ったら、命を粗末にするような生き方を選ばないんじゃないかなと、思うのです。

野菜が作られる場所、お肉になる動物が育ち殺され加工される場所、魚を捕まえる場所、鶏が卵を産む場所から、食べ物=命が私たちの心と体へ受け継がれるためにやってきます。
働き過ぎとか、いじめとか、折檻とか、暴力や戦争や収奪や貧困。人の命を大切に思わない社会や政治は、ご飯がどこから来るか分からない、命を食べる実感がもてない「普通」の暮らしから生まれるのではないかしら。

ファーマーズマーケットで買い物をすれば、あの農場でこの人が育てた野菜を、こんな風に料理したご飯を食べることができます。
「農場から食卓まで」の全てが見えるから、安心がありワクワクする気持ちが生まれます。
オーガニック野菜を栽培するのは、どんな苦労があって、どんな工夫をしているのか。
作る人の事情が分かれば、食べ物が育つ環境を大切にします。
環境を汚染しない暮らし方を実践する人が増えれば、自然と調和した人間らしい社会へと変わっていくでしょう。

そういう風に考える人は世界中にいます。
私がマクロビクラブの仲間とシェアしてきた暮らしの知恵も、世界中で実践している人がいます。

21 Acres誕生のストーリーを聞いたとき、ここにも循環する暮らしを実践してきた人々がいるのだなと、うれしくなりました。

21 Acresは、実験農場として、オーガニック農場、果樹園、ハイキングトレイルを一般公開にしているほか、昨日の記事で紹介したマーケットスペースとキッチンがある建物は環境への負荷の少ないグリーン・ビルディングの最新の技術を採用しています。

シアトル郊外のレドモンドやウドゥンビルも、この20年で、かつての農業地帯から新興住宅とビジネスパークの郊外市街地に変貌してきました。
食卓と農場の距離が近い環境だからこそ、環境を破壊しない食と住まいのあり方を学べる21 Acresの存在は大切だと思います。


21 Acres
13701 NE 171st Street, Woodinville, WA 98072