お友達の脱ホンダシ味噌汁計画に協力中。

「化学調味料は健康に悪い」ということには、かなりの人が気が付いているようですが、なかなか化学調味料のない生活には至らないようです。
いくつかの原因があります。

まずは、自分が食べているものに化学調味料が入っていることに気が付いていないケース。買い物をするときに、原材料欄を読んでみると、「あらまあ」と思うことが多いですよ。最近は「化学調味料」ではなく「うま味調味料」と書くし、おせんべの「調味料(アミノ酸等)」とか、インスタント味噌汁の「たん白加水分解物」とか、に化けています。
英語表記だと、ingredients欄にMSGまたはmonosodium glutamateと書いてあるので、簡単に探せます。
読む習慣をつけるしかないですね。(そして、スーパーに並んでいるおせんべのほとんどにアミノ酸等が入っていて、何も買えなくて悲しい気持ちで売り場を後にすることになります。)

次にあげられるのは、化学調味料の味で育ったので、化学調味料を使わない調理法が分からないケース。
私は昭和の子供なので、母親が毎朝、削ったばかりの鰹節で出汁を取るのを見て育ちました。なので、「出汁をとる」ことが当たり前だと思っていました。
しかし、私より10歳以上若い人たち(戦後生まれの親に育てられた)から下の世代では、出汁を引くのを見たことがないという人が多いと聞いたときは、びっくりしました。家庭料理は伝統芸能と一緒なので、毎日食べたもの、親が作っているのを見たものは、見よう見まねで作れるようになるものです。
体験したことないものは難しそうに見えるから、こういう世代の人たちがプロの料理人の技をテレビで見て、出汁を作るのは難しいと思うのも無理ないです。
毎日のご飯作りでは、難しいテクニックなどなくても、簡単にできることが大切です。実際、やってみれば簡単です。

3番目が、化学調味料の味でないと満足できないというケース。
私の母は、味噌汁の出汁はひくのですが、「炒め物などにちょっと味の素を入れるとおいしいわよ」、と譲りません。彼女の世代は、「ちょっと入れるとおいしい脳」と「この味がおいしい舌」の人が多いです。
ほんだしのお味噌汁が好きという人は、濃い味が好きな男性が多いようです。

濃い味を好む理由もいくつか考えられます。
私の父はヘビースモーカーでした。タバコをやめて半年して、「ものの味が分かる」と告白して、母を激怒させました。「じゃあ、今まで、味も分からず私の作った料理を食べていたのか!」と。父の味覚に合わせた実家の料理は、とても味が濃いものでした。舌の感覚が鈍ると味が濃くないと満足できないのでしょうね。
また、生活環境でも、味の感じ方は変わります。今の私の料理は、冬のワシントン州の気候に合わせてカリフォルニアより自然に塩気が増えました。暑い所や、肉体労働、運動など汗をたくさんかく生活でも、塩気が多くなります。

脱化学調味料を実現するには、舌の感覚を鋭敏にする必要があります。まず最初のステップは、10日間ほど化学調味料を食べないこと。原材料名を読んで入っていたら買わない、使わない。「私は一生絶対に食べない!」と肩に力をいれると長く続かないので、とりあえず10日間が目安です。
と、同時に、化学調味料を使っていないけど満足できる料理を食べる。
まずは、質の良い調味料を使う。味噌なら1年以上、できれば2年熟成させたもの。塩は海塩や岩塩などの自然塩。酢や醤油は熟成させた天然醸造のもの。醤油はできれば非加熱で。こういう調味料は、大手メーカーではなく、地方の小さなメーカーが作っています。日本では、スーパーよりネットで買う方が便利でしょうね。アメリカでは、近所の自然食品店やWholeFoodsで買えます。

満足感は、素材のうま味と食感から得ます。なので、素材自体がまずいと難しい。できるだけ、質の良いものを探してください。元気は、お日様のパワーです。お日様をたっぷり浴びて、じっくり食べごろになるまで待った野菜。元気な植物を食べて育った動物や魚をいただきましょう。