昨日はお昼にお客様をお招きしました。献立は、コロッケ、グリンリーフレタスとラディッシュの薄切りに梅酢とエゴマ油のドレッシング、にんじんマリネ、黒米入り玄米、玉ねぎのポタージュスープ、デザートに小豆の寒天寄せといちじくのワイン煮でした。

ただの玄米ご飯よりも見た目に楽しめるので、久しぶりに黒米を使いました。ジャポニカ種の黒米は入手しづらいので、 forbidden riceという長粒種の黒米です。炊くと玄米が薄い紫色に染まりお赤飯のようです。古代米は栄養価が高いので、普通の日もご飯に少し入れて炊くといいですね。

にんじんのマリネは、一昨日の晩ご飯にボイルにんじんサラダを作ったときに仕込んでおいたものです。
にんじんを洗って丸ごと皮付きのまま、鍋に水と一緒に入れて柔らかくなるまで茹でます。この時、水4カップに対し小さじ1と1/2の自然塩を入れます。約1%の塩水で丸ごと茹でるのです。小さく切ってから茹でるのとは、食感が違って面白いです。
茹で上がってから、熱いうちに乱切りし、レモン汁とオリーブオイルを絡めて、さっと頂くのがボイルにんじんサラダ。

マリネの方は、オリーブオイル、アップルビネガー、オレンジジュース、自然塩を混ぜたマリネ液に漬けました。にんじんの葉をさっと湯がいてみじん切りにしたものと、オレンジの皮のみじん切りと、しょうがの薄切りを2枚、一緒に漬けました。常温に冷めてから、冷蔵庫で保存します。夏場なら冷たいまま出しても良いのですが、冬なので2時間くらい前には冷蔵庫から出しておきました。

コロッケは、普通のコロッケです。豚肉の代わりにテンペをみじん切りを使っています。衣をつける際には、昨日のヒラメフライと同じく天麩羅粉と卵は使わず、小麦粉、水で溶いた小麦粉、パン粉の順につけました。
娘が学校に行っている間だったので、パン粉付けを一人でやらなければならず、しばし感慨にふけりました。

うちの娘はコロッケのパン粉つけを2歳の頃からやらされています。コロッケを楽しそうに握り締めている幼い娘の写真があります。
腕まで粉まみれで、調理台の上も周りも散らかっています。
子供に台所仕事をやらせると、片づけが倍になるので、「お手伝い」ではなく「お迷惑」です。
それでも、小さい頃からやらせてきて、10歳の今は、2人で作業するとたくさんのコロッケがすぐに仕上がるほど、腕を上げました。

親子でクッキングなんて子育て雑誌で見ると、理想の子育てのイメージが頭に浮かびますが、現実は、汚くて大変です。
家事を子供に手伝わせると、時間ばかりかかって効率が悪い。結局、全部自分でやったほうが楽で良いと思ってしまいます。
仕事をしてきた女性が母親になって、一番困るのが、この「効率が悪い」ということ。
子供のペースに合わせて生活すると、時間の無駄が多くて、嫌になってしまいます。

「効率が良い」のが善で、「効率が悪い」のは悪、だという考えが体に染み付いているので、生活をその基準で評価しようとして、壁にぶち当たる。
効率を良くしようと頑張るので、全部自分で引き受けてしまう。しかし、いくら自分ががんばっても、相手のあることなので状況は改善されない。
効率化の成果が見えないので自己嫌悪する。嫌な気持ちが溜まるので、八つ当たりで子供を𠮟ってしまう。子供は萎縮してますます聞き分けがなくなる。
まあ、私が通ってきた地獄のスパイラルです。

子供は自然の生き物です。効率が良いとか悪いとかは、無機物相手に使う評価で、生きているものに当てはめるのは無意味です。
無意味なことに親も子も振り回されているのは、不幸です。

どんなに効率が悪くても、一緒にコロッケを作り続けたら、そのうち子供も器用になって、立派な戦力になります。
短期間で成果を出そうとすると、親も子も息苦しくなってたまりません。とりあえず、「効率」は玄関で脱ぎ捨てて靴箱にしまってしまいましょう。

とは言え、お台所仕事には決戦の時もありますので、小さい子供とクッキングは平時に楽しんでくださいね。