すっかり温かくなってきたノース・ウエスト。5月のマクロビクラブのご飯は、テンペの酢豚。春にうれしい酸味の料理です。

春は体が古いものを捨てて、新しく作り変えられる「生まれ変わり」の季節です。
温かくなって体を活発に動かせるようになってくると、冬の間は必要だった脂を排出し、新しい体を作るための栄養をどんどんと取り入れていきます。解毒と代謝を担う肝臓が活躍する季節です。
春が旬の食材は、肝臓への負担を和らげ、肝臓を補う力を持っています。
自然は、その季節ごとに人の体が必要とするものを、ちゃんと用意してくれている。ありがたいなと思います。
アスパラガス、あさり、わかめ、山菜、葉野菜の新芽。
苦味のある山菜を酢味噌で和えたり、あさりやわかめを酢の物にするとおいしいですね。
苦味のある食材は解毒を、酸味は疲れた肝臓を癒してくれます。


今日のメニューは、テンペ酢豚のほか、アスパラガスの塩麹炒め、あさりの味噌汁と玄米、小蕪とラディッシュの蒸したもの、りんご寒天。おまけとして、潮干狩りで取ったカキのフライも試食しました。

今が旬のアスパラガス、潮干狩りで取ってきたあさり、ようやく芽が出始めた小蕪など、ノースウエスト産の食材を使いました。

穂先のほろ苦さと、軸の甘さが美味しい採れたてアスパラガスは、フライパンに薄く油をひいてさっと炒めた後、塩麹を大さじ1振り入れ、大さじ2ほどの水を加えて蓋をして蒸し煮にしました。蓋をあけて余計な水分を飛ばしてからお皿に盛ります。

小蕪とラディッシュは葉つきのまま塩少々をまぶしてさっと蒸しました。青菜ごと、そのままで美味しくいただけます。

あさりは、しいたけ昆布出汁を張ったお鍋に入れて、蓋をして火を通します。口を開けたら自家製味噌を溶いて、仕上げに小口切りの青ネギを散らしました。新鮮な貝は肉が柔らかく、潮の香もして、海からの滋養をいただいている気分になります。

メインのテンペ酢豚の作り方は次のとおりです。
今日は玉ねぎとにんじんだけで作りましたが、ズッキーニやピーマン、赤ピーマン(パプリカ)を入れると彩りもよくなります。
カリフォルニア産のズッキーニならもう出回っていますが、こちらでズッキーニやピーマンの実が生るのは、まだまだ当分先のようです。

テンペの酢豚風
材料 テンペ 半パック
しょうが汁 小さじ1/4
醤油 小さじ2
片栗粉 大さじ2
サフラワー油 1カップ
玉ねぎ 半個
にんじん 1本
きくらげ  1個
昆布しいたけ出汁 1と1/2カップ
自然塩 ひとつまみ
りんごジュース 1/2カップ
醤油 大さじ2
レモンジュース 大さじ1と1/2
葛粉 大さじ2

作り方
(1) きくらげは水で戻しておく。テンペは一口大に切り、しょうが汁小さじ1/4、醤油小さじ2、水小さじ1のつけ汁に漬ける。玉ねぎは太めの回し切り、にんじんは乱切り。
(2) 味が染みたテンペに片栗粉をまぶし、中温の油でカラリと揚げる。にんじんも油でさっと揚げる。
(3) 鍋に玉ねぎを並べ、昆布しいたけ出汁ときくらげの戻し汁を合わせてヒタヒタになるまで注ぎ、自然塩ひとつまみをふりかけ中火にかける。玉ねぎが少し柔らかくなったらきくらげを加え、もうしばらくしたら残りの出汁とりんごジュース、醤油を入れて煮立て、にんじんを入れて煮、火が通ったらレモンジュースを入れる。テンペを加える。
(4) 同量の水で溶いた葛粉を回し入れ、葛が透明になったら火を止める。

*1カップはアメリカのカップ240ml、大さじは15ml、小さじは5mlです。