明けましておめでとうございます。

3年越しで、ようやくワシントン州での年初めとなりました。
と言うのも、2013年は引っ越しの荷解きが終わらず、2014年は日本に帰省していたため、今年が新居で迎える初めてのちゃんとしたお正月となったのです。

もっとも、この年末はこれまでになくリラックスして、のんびりと過ごしました。
お節も31日の午後からゆるゆると作り始め、来客がなかったので品数も少なめです。
鯛はパイクプレイスマーケットで仕入れました。

うちのお雑煮は関東風。お澄し汁に里芋、鶏肉、青菜に、蒲鉾の飾り切りと三つ葉を飾りました。

お酒はオレゴンの酒造桃川の純米吟醸です。

午後からは、北へ車で40分。椿大神社へ初詣に行きました。

正月に参拝するのは初めてだったので、人出の多さにびっくりしました。
参拝客の半分はアメリカ人。家族に日本人がいないアメリカ人の方が神社にお参りすることに、不思議な気持ちになりましたが、椿大神社は猿田彦を祭っているので、武道家には馴染みがあるのかもしれません。

駐車場がいっぱいで路駐して少し歩いたのですが、道が凍っていて転ばないように気をつけました。
残雪ではなく、霜と氷で木々が白く光っています。

拝殿に上がって、ご祈祷をあげていただきました。
時間ぎりぎりに受付をしたので、一番最初に名前を読み上げられて、ちょっとびっくりしました。
ローレンス光一バリッシュ師のご祈祷は、最後のご挨拶が英語なので分かりやすいのが特徴です。
今年は、乙未(きのと ひつじ)、四緑木星。変化が芽吹くとき、集団で努力することで、運を開きましょう、というお話しでした。

ご祈祷で読み上げられた名前の中に、何年もネットで交流していながら一度も会ったことのないAさんの名前がありました。
同姓同名の別人かもしれないけれど、もしかしたらご本人かもと思って会場を探したところ、見知った顔があり、思い切って声をかけたら、やはりご本人でした。
Aさんと知り合った直接のきっかけは、10年近く前にこの椿大神社について書かれたmixi日記にコメントしたことだったので、偶然と呼ぶには恐れ多いような偶然でした。
また会場には、昨年から親しくなったMさん家族もいらして、未年の吉となる仲間づくりへのご縁を感じました。


2015年は、これまで隠れていた変化の種が芽吹き始める年です。変化は波乱を伴います。
巻き込まれ、翻弄され、足場をなくさないように、家族や友達とのつながりをしっかりと築いていきたいと思います。

本年もよろしくお願い致します。

いきなりビールパンを作りました。

ベーキングパウダーを入れた小麦粉にビールを注いで練って、型に入れて焼くだけというビールブレッド。
Total Wineのビールコーナーに、Beer Bread Mixと称する粉が売っていたので、レシピだけ頭に入れて家で作ってみました。

発酵を待たないので、パンと言うよりも、バナナブレッドなどのブレッドに近いのですが、焼き立てを食べてみたらモチッとして味は発酵させてから焼くパンに近いです。
発酵臭というか、要するにビールの匂いなわけですが。
表面のパリッとしたところが香ばしく、中のモチッとしたところが酒饅頭っぽく。
きっとビールの種類によって出来上がりはかなり変わるのではないかと思います。
今回は、地ビールの中でも味に定評のあるScuttlebuttを使いました。エベレットにあるブリュワリーです。

小麦粉 3カップ
ベーキングパウダー 小さじ3 (*アルミニウムの入っていないベーキングパウダーを探してね)
自然塩 小さじ1
甜菜糖 4分の1カップ
オリーブオイル 4分の1カップ
ビール 12オンスを1本

粉類をふるって、ふわっとさせてから、オリーブオイルとビールを注いで混ぜる。
オリーブオイルを塗ったローフ型に種を入れて、375F度で予熱したオーブンで1時間焼く。
型に入れたまま15分ほど冷まし、型から出して召し上がれ。

翌朝は、スライスしてトースターで焼いて、ピーナッツバターを塗って食べました。
一切れで、すごくお腹が一杯になりました。

ハーブやナッツをいれても良さそうです。
ともかく簡単なので、キャンプでダッチオーブンで焼けると思います。
夏になったら試してみようっと。

今年、我が家では「サンタさんからのプレゼントは何がいい」という会話がなかった。

プリスクールで作ったクリスマスオーナメントを、自分の顔写真がついている1つを除いて、クリスマスツリーに飾らなかった。

昨晩、ツリーの下にプレゼントを並べていて、小さなジュエリー・ボックスに気がついた。娘から私へのプレゼント。

娘12歳。自然に、こういう日が来るんだなあ。

こちらは、私たちから娘へのプレゼント。
リクエストされた『ヘタリア』と、サプライズのオックスフォード『世界地図』とCIA『各国要覧』。クーポンとおまけのギフトカードでタダになった『The Heroes of Olympus』の3巻セット。こちらは、Barnes & Nobleからのプレゼントだね。

そもそも『ヘタリア』を知ったのは今年の10月のことであった。
現地校の先輩と話しているときに、二人ともベルリンの壁があった国の名前が思い出せなくて、娘が「日本語なら分かるんだけど」と言ったら、先輩が「日本語で言って」と言うので、「ドイツ」と答えたら、先輩が「Germanyだ」と即答。
「なんで、ドイツがGermanyだって知っているの?」と聞いたら、「アニメで覚えた。日本語でドイツと言うたびに、Germanyと字幕が出るから」と、そのオタクの先輩は涼しい顔で答えたそうだ。
(ちなみに、この先輩はオタクなので、自分のことをSENPAIと自称している。)

帰宅してすぐに、この話をした娘。「国が人間であれこれするアニメ」を二人で探して見つけたのが『ヘタリア』だった。
第二次世界大戦中のイタリア兵がへたれだったというネタからタイトルをつけた、国家を擬人化したウェッブ漫画。娘と二人で爆笑しながら第二次世界大戦をネタにした本編を全部、読んだ。

ロシアさんが「コルコル」と震えながら言うネタで、「コルホーズって何?」と聞かれ、共産主義ソビエトのソフホーズとコルホーズのことを説明し、そこから資本主義と共産主義の違いを聞かれて、「その話は長いから寝なさい」と打ち切ったのが既に懐かしい。

なぜならそれから毎日、娘は『ヘタリア』のサイトにアクセスして、漫画を読み進めていったのだ。オタクの英才教育を受けているうちの娘は、しつこい。はまると気が済むまで読み続ける。そして、『ヘタリア』は毎日、ネタが更新され続けている。読み終えるということがない。

ネタが理解できないと、質問してくる。
最初は、「リトアニアってどこにあるの?」なんて可愛い質問だった。
「自分で探しな〜」と地球儀を与える。
「ラトビア可愛いね。バルト三国だったら、どこが一番、大きいのかな」と即答できないことを聞いてくると、「Wikiを見てみようか」と手助けした。
しかし毎日の質問攻めに、私はすぐに根をあげ、「ぐぐれかす」って言葉の意味を教えてあげた。「聞く前に調べろ。」

彼女はめんどくさいとも言わず、『ヘタリア』のネタの背景調べにはまった。そのうちWikiでは物足りなくなったようだ。
「今日は補習校の図書室で、ヤルタ会談について載っている本を紹介してもらったよ。高校生が読むような本だったけど、その部分だけなら読めた。」紅谷先生、ありがとうございます。

9月に日本語補習校の二学期が始まった時は、社会の宿題をしながら、「なんで歴史なんか勉強する必要があるわけ?」とぶーぶー言っていたのに。ノンフィクションは漢字が難しいと読まなかったのに。
『ヘタリア』さまさまだ。

私が歴史を好きになったのも、漫画だった。5年生の時に『ベルサイユのバラ』にはまって、中央公論の『世界の歴史』の市民革命の巻だけ買った。そして、フェルゼンの肖像画を見てショックを受けたのだ。6年生の時に『はいからさんが通る』にはまって大正デモクラシーを知って、中1で『浅黄色の伝説』で新撰組にはまって司馬遼太郎を読み始めた。

きっかけは何でもいい。そこから、知識の海原へ漕ぎ出していけば、世界は無限だ。私の子ども時代と違って、今はインターネットがある。行こうと思えばどこまでも行ける。それでも、船とオールが必要だろう。
航海の役に立ってくれるようにと『世界地図』と『各国要覧』を選んだ。

地図もデータもネットで見れるけど、本の形ならパラパラとめくることができる。
めくる。って大事だと思う。たまたま開いたページの、たまたま目にしたものが、記憶の底に残っている何かとつながっていくから。



今年、我が家にはサンタさんが来なかった。
保育園や幼稚園で作ったクリスマス飾りをツリーに飾らなかった。
世界地図を手に入れた。

うちにはもう、小さな子どもはいなくなった。
代わりに大人になる前の人がいる。

私は少し寂しくて、たくさんワクワクしてる。

ホリデーシーズンの我が家の定番。クランベリーブレッドです。

卵・バター・お砂糖を使わないレシピです。
クランベリーの酸っぱさが、メープルシロップとレーズンの甘みと合わさって、ちょうどいい具合の甘さです。
刻んだクルミの歯ごたえと、オレンジの香り、ナツメグのフレーバーがホリデー気分を盛り上げてくれるので、サンクスギビングからクリスマスまで何回か作ります。一晩おいた方が味が馴染みます。

クランベリーはファーマーズマーケットで買った地元産のもの。
ノースウエストはベリー類に合った気候ですね。
生のクランベリーが出回るのは初冬だけなので、多めに買って冷凍しておきます。

その他の季節では、ジュースかドライフルーツとして売られています。
クランベリーはビタミンCとE、マンガンが豊富で、膀胱炎になったらクランベリージュースを飲むという民間療法があります。
抗酸化にも役立つのですが、そのままでは酸っぱくて食べにくいため、ドライフルーツにする時は甘みを添加してあります。
何で甘みをつけているか確認した方がいいですね。
私は、見た目は少し悪いのですが、フルーツジュースで甘みをつけたものを買うようにしています。

<クランべリーブレッドの作り方>
1.5クオートのローフ型1個分。1カップはアメリカのカップ240ml、大さじは15ml、小さじは5mlです。


材料
全粒ペイストリー粉 3/4カップ
無漂白小麦粉 3/4カップ
ベーキング・パウダー 小さじ2
ベーキング・ソーダ 小さじ1/4
自然塩 小さじ1/4
シナモン 小さじ1/2
ナツメグ 小さじ1/4
サフラワー油 1/3カップ
オレンジ果汁 1/3カップ (中くらいのオレンジ2個)
豆乳 1/3カップ
メープルシロップ 1/2カップ
オレンジの皮 小さじ1
クランベリー 1カップ (7.5オンス)
くるみ 1/2カップ
レーズン 1/3カップ

作り方
(1) オーブンを350F度に予熱しておく。
型に油を塗って(分量外)から小麦粉(分量外)をふりかけておく。
クランベリーを洗って、半分に切っておく。
オレンジの皮をそいで取り分けておく。果汁を絞る。
くるみは洗って軽く煎り、みじん切りにする。
(2) 大き目のボウルに粉類を全て入れ、混ぜ合わせる。
(3) 別のボウルで液体を全て混ぜ合わせる。
(4) 液体を粉類のボウルに入れてよく混ぜた後、空気を含ませるように混ぜ合わせる。
(5) クランベリー、くるみ、レーズンを混ぜいれ、タネを型に流し込む。オーブンの中段に入れて40分焼く。
(6) 竹串がすっと取るようなら、オーブンから出し、10分間型に入れたまま冷ます。竹串で周囲をはがしておく。
(7) 型から出してケーキクーラーに乗せ、オレンジグレイズを刷毛で塗る。
(8) 完全に冷めたら完成。

<オレンジグレイズ>
ブラウンライスシロップ 1/4カップ
オレンジ果汁 1/4カップ

作り方
ブラウンライスシロップ1/4カップとオレンジ果汁1/4カップを合わせて中火にかけ、半分の量になるまで煮詰める。

今年最後のマクロビご飯の会。ワインで乾杯しました。

今年の1月、マクロビオティック料理を食べながらおしゃべりするサロンを自宅で開催したのが、マクロビクラブ・ノースウエストの活動をしていく始まりとなりました。
これまで参加していただいた皆さんのおかげで、人の輪が広がって、美味しく楽しい健康生活を実践する仲間が増えた1年でした。
感謝の気持ちをこめて、今回はパーティー料理をご用意しました。

前菜は、塩麹で作った豆腐チーズと、オリーブのアンチョビ風トッピング。
メインは、カシューナッツとしめじで作るビーガン・ミートローフ。蒸しケールで縁取っています。
そして、温野菜のサラダと、雑穀サラダの2種類のサラダ。
蒸し野菜に柿のドレッシングをかけた温野菜のサラダは、彩が可愛らしく仕上がりました。
オーブンでローストしたデリカータ・スクワッシュの中には、フォロ、ワイルドライス、ミレット、ドライクランベリーをハーブ・ドレッシングで和えたサラダが詰まっています。
デザートには、スパイス入り赤ワインで煮たイチジクを用意しました。食べるときに、ソイアイスクリームを添えました。

食べ物の話から、食の安全、環境と適応した伝統的な生活様式が急激に失われていった日本の戦後史に話題が広がっていきました。
私が生まれた昭和40年ごろ当たり前だったことが、50年間でどれだけ変化したことか。
80年代、あんなだったね、こんなだったねという話をしながら、来年はもっといい社会になるといいねというところに落ち着きました。
硬い話も、美味しい食事を楽しみながらだと、肩こらずに話せます。
結局、台所は直接、政治とつながっていますからね。

また、来年も、皆さんと一緒に食べながら語り合いながら、楽しんでいきたいと思います。

12月のお料理クラスは、ホリデーメニューでした。


イチゴのショートケーキ、セイタンのブラウン・シチューとクスクス、オレンジ・ビーツのサラダを作りました。

セイタンは、マクロビオティックの提唱者、桜沢如一先生が正しい蛋白質(正蛋、セイタン)と名付けたグルテンミートです。小麦粉のグルテンを食べやすい大きさにまとめて、醤油などで下味をつけたものが市販されています。
このセイタンを牛肉の代わりに使い、根菜とマッシュルームと一緒に煮込んだブラウン・シチューをクスクスにかけていただきました。
マッシュルームと赤ワインがグレービーソースの味わいを作っています。

サラダは、茹でたビーツを葛粉でとろみをつけたオレンジ味のドレッシングで和えています。

ショートケーキは、砂糖、バター、卵を使わないで焼いたスポンジケーキで、豆腐で作ったクリームとイチゴを挟み、豆腐クリームを周囲に塗りました。
ケーキ作りを教えているAさんが、きれいに仕上げてくれました。
材料はこちらです。

左端にあるのが、デコレーションに使ったホイップクリームです。乳製品を使っていないので、牛乳アレルギーの方向けです。これはSoy Creamですが、Riceでできているものも売っています。

見た目にかなりのボリュームがありますが、食べてみると意外に軽いのが、砂糖なし卵なし乳製品なしのケーキの特徴です。
それでも一度では食べきれないので、お持ち帰りになりました。

今年の9月から始まったお料理クラスですが、毎回、参加者の皆さんと楽しみながら作っています。
来年は、開催場所の数が増える予定です。
興味のある方は、infoアットmacrobiclub.comにお問い合わせください。

11月のマクロビご飯の会は、ゲストシェフを迎えて行いました。

今回のゲストシェフは、私のマクロビオティックの先輩である横山奈保さん。
奈保さんは、ル・コルドン・ブルーを修了しているシェフであり、中医であり、マクロビオティックの探究者であり、日本の伝統的な生産方法の食材を探してあちこち訪ね歩く旅人でもあります。
つまりは美味しい自然食をプロの技でチャッチャッと作る人です。
サンタモニカの鈴木草千(さなえ)先生のスタジオで10年ほど前に出会ってから、家族のようにお付き合いしていて、我が家に滞在するときは、ご飯を作ってくれます。

せっかくですから、奈保さんの作るビーガン料理をマクロビクラブのメンバーにも味わってもらいたいと、今月のマクロビご飯の会の料理をお願いしました。

根菜が美味しい季節です。ハーブの香りが効いた野菜のオーブン・ロースト。
パーシニップや紫色の人参、黒いポテトに、これは何?初めて食べたわという声があがりました。


テンペステーキは、Trader Joe'sのグレイン入りテンペを使いました。ベジネーズを使ったビーガン・タルタル・ソースを添えています。


キヌアとアーモンド、カラントが入ったケールのサラダ。キヌアは南米原産の雑穀です。稗や粟と同じく全粒穀物なので、今回の献立にはパンやお米を入れませんでした。


デザートのアップルクリスプ。トッピングのグラノーラも自家製です。

もう1品、レンズ豆のスープもあったのですが、写真がピンボケになってしまったので載せませんでした。

ゆっくりとお食事をしながら、8名で自己紹介をしました。皆さん、食や健康、地域活動に関心があり、つながり合っていることを確認したり、美味しいもの情報を交換したり、子供たちが過ごす未来について語ったりしました。
楽しい時間をありがとうございました。

次回の「マクロビご飯の会」は、12月9日(火)です。